普段、プログラミングや電子部品に馴染みのない人も、気軽に電子工作にチャレンジできるラズベリーパイを紹介します。
アイディア次第で、ちょこっと生活を便利にしたり、すごく楽しいものが作れるかもしれません。
どんなものなのか、どんなことができるのか、大まかな概要を説明します。
ラズベリーパイとは
ラズベリーパイ(Raspberry Pi)は、イギリスのラズベリーパイ財団が教育用に開発した超小型のコンピューターです。
「教育用のPCを安価に提供する」という理念の下、2012年に誕生したシングルボードコンピューターのラズベリーパイ。
プログラミングの学習環境や電子工作のツールとして人気があり、小学生から技術者まで世界中にたくさんのファンがいます。
ラズベリーパイの一番の特徴は、簡単にハードウェアと接続できて、直接プログラムで操作できること。
さらに、インターネットにも簡単につなぐことができます。
はんだごてを使わなくても、ラズベリーパイのピンにセンサーやモーターなどの線をぷすぷす挿すだけで、自分が作ったプログラムを動かすことができるんです。
ラズベリーパイの公式サイトはこちらです。
製品情報やドキュメント、使用方法などたくさんの情報が詰まっています。
Teach, Learn, and Make with Raspberry Pi
ラズベリーパイのおすすめポイント
他にも同じようなことができる製品は、いくつもあります。
そんな中から、ラズベリーパイを選んだ理由は、
- 2012年の発売以来、長く人気が続いている
- 最近も新機種が発売されていて、今後も長く使えそう
- 入手しやすい
- ネットや書籍など情報が多い
- ハードをガンガン使うというよりは、ネットにつないでパソコンやスマホから操作したい
- USBコネクタやSDカードスロットなどがついていて、初心者でも簡単に使えて汎用性がある
そして、なにより安い!ということです。
ラズベリーパイの価格は、機種にもよりますが5,000円前後くらい。
体験用にスペックをおさえて開発されたRaspberry Pi Zeroという機種は、さらに安価で提供されています。
初めてRaspberry Pi Zeroをスイッチサイエンスという会社のサイトで見つけたときは、648円 という価格に驚きました。
このサイトで紹介しているRaspberry Pi Zero WHは、無線LANとピンヘッダ(センサーなどの線を挿すピン)がプラスされているのでもう少し高い1,814 円でした。
それでもパソコンなどに比べれば、かなり安価ですよね。
そして最近も、新機種のRaspberry Pi 4やラズベリーパイ用のキーボード・マウス、プロジェクターなどの関連商品が発売されています。
人気が続いていることが分かりますね。
ラズベリーパイの種類
ラズベリーパイには、1A/1A+/1B/1B+/2B/3B/3B+/4B/Zero/Zero Wなど、いくつも種類があります。
詳しい種類や仕様については、ウィキペディアに表が載っています。
予算に余裕があれば、スペックのいい最新機種を購入されるのがいいと思います。
まずは、どんなものなのか試してみたいという方は、このサイトでも紹介しているRaspberry Pi Zero WHをおすすめします。
Raspberry Pi Zero WHは小さいですが、充分いろいろな電子工作が楽しめると思います。
ラズベリーパイでできること
では、具体的にラズベリーパイでできることを見ていきましょう。
プログラミングの学習環境
ラズベリーパイでは、こんなにいろいろな言語のプログラムを動かすことができます。
- Python
- Scratch
- Java
- C、C++
- perl
- ruby
ラズベリーパイの中にWebサーバーをたてることもできるので、好きなプログラミング言語を使って、動くホームページを作ってみるのも楽しいですね。
プログラムの学習だけでなく、サーバーやいろんな環境を整えるのも勉強になります。
電子工作
さらに、勉強したプログラムでセンサーやLEDなど、いろいろなハードを動かすことができます。
ラズベリーパイには、GPIO(General-Purpose Input/Output)と呼ばれるピンやUSBポートがあって、ここにさまざまなセンサーやLED、モーターなどのハードを接続することができます。
カメラやマイクを接続して、動画を撮影したり、写真を撮ったりすることも。
ネットにも接続できるので、たとえばスマホで部屋の状況を確認したり、スマホからLEDやモーターなどのハードを操作することも可能です。
これらを組み合わせて、たとえば……。
- 部屋が明るくなったら、音楽を再生する
- 部屋の温度・湿度をWebページでチェックする
- 植物の水やりを自動化する
- センサーやカメラでお留守番のペットを見守る
- 音声操作で照明やテレビをつける
- 外出先からスマホでエアコンをつける
ほかにも、小型のゲーム機・ロボット・ラジコンカー・ドローン・AIスピーカー などなど、ネットを見てみると、すごい! ってびっくりするような作品がたくさん紹介されています。
まずは、LEDで目を光らせたロボットを作ってみるとか、簡単なことから楽しんでトライしてみるのがいいと思っています。
なにかやってみたいことが頭に浮かんできましたか?
ラズベリーパイのコンテストも開催されているので、オリジナルの作品を応募してみるのもいいですね。
おすすめの書籍
ラズベリーパイについて勉強するのに、最初の1冊におすすめしたいのがこちらの本です。
基礎から、一つ一つの部品の説明、それらを組み合わせた電子工作まで、非常に分かりやすく解説されていています。
電流を流れるプールの「水の流れ」、抵抗を「プールにいる人の人数」に例えるなど、イメージしやすい内容なので、「電流も電圧もさっぱり忘れちゃった!」 っていう人にも、とってもおすすめです。
秋月電子さんの「Raspberry Piで学ぶ電子工作」とパーツのセットもおすすめです。
ラズパイ4対応 Raspberry Piで学ぶ電子工作(書籍+パーツセット)
まとめ
なんとなくラズベリーパイの雰囲気がイメージできたでしょうか?
ラズベリーパイは、教育用に作られただけあって、専門家でなくても簡単に使える仕組みがたくさん用意されています。
プログラムを勉強してみたい人にも、電子工作をやってみたい人にも、初心者にやさしいコンピューターだと思います。
次は、実際にラズベリーパイで電子工作を始めるとき、どんなものを準備すればいいのか紹介します。